子宮頸がんワクチンとしてはサーバリックスⓇ(グラクソ・スミスクライン)・ガーダシルⓇ(MSD)がありましたが、新たにシルガード9(MSD)が日本で製造販売承認されました。
海外ではガーダシル9(Gardasil9)と呼ばれており、HPVの9つの型(6、11、16、18、31、33、45、52、58型)に対応したワクチンとなっております。ガーダシルの4型(6、11、16、18)に加え5種類追加されたものとなります。子宮頸がん予防効果としてはガーダシルが約60%~70%とされているのに対して、シルガード9は約90%とされています。
現在、厚生労働省の勧告に基づき、サーバリックスⓇ・ガーダシルⓇは、「任意」の定期接種接種となっており、積極的な勧奨が差し控えになっています。そのため、接種率は0.6%と低迷しています。
一方で、HPVワクチン接種を早期に取り入れたオーストラリア・イギリス・米国・北欧などの国々では、HPV感染や前がん病変の発生が有意に低下していることが報告されています。またフィンランドの報告によると、HPVに関連して発生する子宮頸がんや外陰がんなどの浸潤がんが、ワクチンを接種した人たちにおいては全く発生していないとされています。
私は、子宮頸がんでやむを得ず子宮摘出されたり、若くして力及ばず、亡くなられた患者さんと接してきました。
子宮頸がんは予防接種やがん検診でリスクが減らせる病気です。子宮頸がんが、いつか過去の病気となることを祈っております。